寝ているとき、突然起こる金縛り。
「目が覚めているのに動けない」という状態が恐怖心をかき立てます。
金縛りになると怖い夢を見るので、幽霊のしわざではないかと思う人もいるはず。
また、「夢か現実かわからない」という状況になることもあります。
なぜ金縛りは起こるのか、原因が気になりますよね。
そこで、金縛りが起こると夢か現実か分からなくなる理由を調べてみました。
それに加えて、金縛りが起こる原因、霊との関係も調べました。
Contents
金縛りになると夢か現実かわからない理由は2つ
「これは夢の中での出来事なのか現実の出来事なのか」
金縛りになったとき、このような感覚になったことがある人は多いのではないでしょうか。
なぜ、夢か現実か分からなくなってしまうのか。
理由はこの2つ。
- 脳は起きているけど体は寝ている
- 幻覚を経験する
詳しく見ていきます。
①脳は起きているけど体は寝ている
金縛りはレム睡眠中に起こります。
レム睡眠とは、脳は起きているけど体は寝ているという状態です。
多くの人は、レム睡眠中に夢を見ます。
これは、夢と現実のはざまにいるような状態。
そのため、夢の中なのか、現実に戻ったのかが曖昧になっているのです。
脳は覚醒していて意識はあるのに体は眠っていて動かせない。
この感覚の不一致が原因で、夢か現実かが分からなくなるのです。
②幻覚を経験する
金縛りになると、多くの人が幻覚を経験します。
例えば、「足元に人が立っていた」という視覚的なもの、「耳鳴りがする」という聴覚的なものなどです。
金縛りはレム睡眠中に起こるため、脳では夢の中での出来事と認識します。
しかし、脳が覚醒しているため、現実の出来事ではないかと錯覚してしまうのです。
金縛りは霊のしわざではない!
金縛りを「心霊現象」と捉えたり、「幽霊のしわざではないか」と口にする人もいます。
しかし、金縛りは幽霊とは関係ありません。
医学用語では「睡眠麻痺」と呼ばれ、睡眠障害の一種です。
金縛りのメカニズム
睡眠中は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が交互に繰り返されます。
- 「ノンレム睡眠」:脳が休まる深い眠り
- 「レム睡眠」:体は休んで脳は活発的な眠り
通常であれば、眠りについた直後にノンレム睡眠の状態になります。
そして、約90分後にレム睡眠に入るのです。
しかし、何らかの原因によって就寝直後にレム睡眠が現れるケースがあります。
入眠直後にレム睡眠となると、脳が活発にも関わらず体は筋肉が緩んで動かない状態に…
つまり、この「目が覚めているのに動けない…!」という錯覚が金縛りです。
怖い体験の正体
金縛りが幽霊のしわざではないことは上記で説明しました。
しかし、多くの人が「息苦しさを感じた」「お腹の上に何かが乗っている」という怖い体験をしています。
なぜ、怖い体験をするのでしょうか。
その理由を解説します。
怖い体験をする原因は、脳の「扁桃体」と呼ばれる部分にあります。
扁桃体は恐怖や不安といった感情をコントロールする働きをするのです。
レム睡眠中は、この扁桃体の活動が活発化します。
そのため、金縛りになると怖い夢を見ることが多いのです。
金縛りを引き起こす原因は4つ
金縛りは、どのような状況下で生じやすいのでしょうか。
金縛りを引き起こす原因は4つあります。
- 不規則な生活
- 日常生活のストレス
- 仰向けでの睡眠
- ナルコレプシーなどの睡眠障害
詳しく見ていきましょう。
①不規則な生活
夜更しや昼夜逆転の生活など不規則な生活を送っていると睡眠リズムが乱れます。
睡眠リズムが乱れると、睡眠の質が低下してレム睡眠の状態に入りやすくなるのです。
その結果、金縛りの体験に繋がる可能性があると考えられます。
生活リズムが乱れていると自覚している人は、日々の生活習慣を見直すようにしましょう。
特に、現代人はスマホが手放せなくなっています。
寝る前のスマホは控えるのが良いですね。
②日常生活のストレス
日々のストレスや過度の疲労も、金縛りを引き起こす原因の1つです。
精神的・肉体的なストレスを受けていると、自律神経が乱れます。
自律神経の乱れが、睡眠の質に悪影響を与えると考えられているのです。
また、過剰なストレスが原因で、なかなか眠りにつけないという人もいるでしょう。
そんなときは、入浴などで心身をリラックスさせてから眠りにつくことをおすすめします。
③仰向けでの睡眠
眠るときの姿勢の中でも、仰向けで寝ることが金縛りの症状が起きやすいといわれています。
仰向け寝は、横向き寝やうつ伏せ寝よりも体の力が抜けやすい体勢です。
そのため、筋肉弛緩による運動麻痺が起きやすいといわれています。
また、仰向け寝は安定しており、筋肉が緩んでも姿勢が変わりづらいことも理由の1つです。
横向き寝は不安定な寝姿勢なので、レム睡眠が中断されやすいです。
金縛りになりやすい人は、横向きで眠ることを心がけてみましょう。
④ナルコレプシーなどの睡眠障害
過眠症の一種である「ナルコレプシー」の症状の1つに金縛りがあります。
日中に耐え難い睡眠に襲われるのがナルコレプシー。
どのような場面でも居眠りをしてしまう病気です。
十分に睡眠をとっているにも関わらず、強い眠気が生じてくるという特徴があります。
ナルコレプシー疑いの人は、医療機関を受診して適切な診断を受けるようにしてください。
金縛りの解き方
金縛りが霊のしわざではないことがわかって安心した人もいるのではないでしょうか。
しかし、不快な現象に変わりはありません。
そこで、金縛りの解き方を紹介します。
無理に体を動かそうとしたり、声を出そうとしたりするのはやめましょう。
ゆっくりと深呼吸をすることで、体はリラックスした状態になります。
その後、金縛りは自然に解消していきます。
金縛りは基本的に、数秒から数分で自然に治まります。
金縛りが起こったときは、焦らず落ち着いて対処しましょう。
金縛りが解消した後は、恐怖心が高まらないようにします。
小川のせせらぎや小鳥の鳴き声など、リラックス効果の高い音楽を聞くのがおすすめです。
まとめ
- 夢か現実かわからない理由は、脳は起きているけど体は寝ているという状態だから
- 幽霊のしわざではなく、「睡眠麻痺」と呼ばれる睡眠障害の一種
- 怖い夢の正体は、脳の中にある「扁桃体」の活動の活発化が原因
- 不規則な生活や過度のストレスが原因で引き起こされる
- ゆっくり深呼吸してリラックスした状態になると自然に治まる
以上が、金縛りについてのまとめです。
金縛りが霊のしわざではないことを知って安心した人もいるのではないでしょうか。
この記事がきっかけで、金縛りが怖いというイメージが少しずつ薄れていってほしいです。
しかし、金縛りは日本人の約4割の人が経験しています。
もしかして、自分に起こる可能性も…
規則正しい生活習慣を心がけ、ストレスをためすぎないように予防をしっかりしましょう。