ドイツの元F1レーサー、ミハエル・シューマッハ。
F1ワールドチャンピオンに7度も輝いた、史上最強とも言える選手です。
現役活躍中の2013年12月29日、家族と休暇中のスキー中に岩に激突し、脳むき出しになったほどの大事故に見舞われました。
幸い命は助かりましたが、死の淵から蘇った彼はどのような治療法を受けたのでしょうか?
そこで今回は、彼が受けた治療法と11年前の事故のその後を調査しました。
Contents
シューマッハの脳がむき出しになったスキーでの事故とは?
シューマッハはメリベルのスキー場で転倒し、岩に頭部を強打してしまいます。
どうやらシューマッハはゲレンデの間にある、整備されていないコースを滑走していたみたい。
2013年12月、フランス・アルプスの高級リゾートでスキーをしていたときの出来事でした。
スキー用のヘルメットを着用していたにもかかわらず、脳に重大な損傷を受けてしまいました。
そしてヘリコプターでグルノーブル市内の病院に搬送されたのです。
事故の衝撃で、なんとシューマッハの脳はむき出しになっていたという状況でした。
誰もが彼の命は絶望的と思ったのではないでしょうか。
シューマッハが受けた治療法とは?
引用:auto sport
彼が救急搬送されたグルノーブル市内の病院では、緊急手術が行われました。
その時行われたのが脳低温療法という治療法です。
その脳低温療法とはどのような治療法なのでしょうか?
- 脳低温療法とは?
- 脳低温療法の方法は?
- 脳低温療法の問題点は?
脳低温療法とは?
脳低温療法とは、事故や病気で脳細胞に障害が及んだ時に使用し、一般的に32度~34度まで脳内の温度を低下させる治療法です。
元サッカー日本代表監督だったオシム氏も、この治療法によって一命をとりとめました。
しかし何故脳内の温度を下げなければならないのでしょうか?
脳内に大きな損傷が起きた時、脳細胞がどんどん腫れてしまいます。
脳は頭蓋骨に囲まれているので、脳の圧力が上がり、損傷を受けていない脳細胞まで損傷することも。
そうならないために、脳の温度を一時的に低下させる必要があるからです。
脳の温度を下げることは、脳細胞の腫れが防げるということと、二次的な脳細胞の損傷を最低限にするということに繋がります。
脳低温療法の方法は?
水が循環しているブランケットで体全体と首元および脳に巻いて、脳の温度を32度から34度まで低下させます。
冷やした点滴を静脈投与して、体温を下げる方法を使う場合も。
脳の損傷から4時間以内に開始するのが勧められ、開始が早ければ早いほど良いので迅速な対応が必要です。
体温が下がると、体温を上げようとして反射的に筋肉が震えるシバリングという現象が起きるので、患者は麻酔をかけられ鎮静させられます。
呼吸も止まるので人工呼吸器が必要です。
低体温中は、免疫力が低下し、肺炎などを併発しやすくなります。
また治療は長期間に及ぶことが多いので、床ずれにも注意しなければなりません。
脳低温療法の問題点は?
この治療法は、脳神経外科医だけでなく、麻酔科医、救急救命医、そして熟練した看護スタッフ、機械を扱う臨床工学士、リハビリスタッフなど、ありとあらゆる業種の力を必要とするので、一般の病院では実施できない治療法です。
脳低温療法は心肺蘇生後に心拍が再開した患者に対して行うと効果があるという研究結果はありますが、事故や脳卒中の患者に対しての有効性については未だ一定の結論に至らず、多くの地域や施設では検討が続いているのが現状。
しかし、脳細胞を保護できる治療法のひとつであることは間違いないので、さらなる研究が期待されている治療法です。
その後のシューマッハは?
外傷性脳損傷と診断されたシューマッハは容体を安定させるために、人工的に昏睡状態に置かれ治療が続けられました。
そして2014年6月に昏睡状態から復活し、9月にはスイスの自宅で療養を開始したと報じられて以降、シューマッハの家族は彼の容体について非公開にしています。
- シューマッハの療養中の盗撮写真が1億円で売られる?
- シューマッハの息子、ミック・シューマッハとは?
- シューマッハの現在は?
シューマッハの療養中の盗撮写真が1億円で売られる?
限られた友人しか面会が許されていない中でこの事件は起きました。
なんとシューマッハがベッドに横たわっている療養中の写真が盗撮され、1億円でマスコミに売り渡されてしまったのです。
コリーナ夫人が警察に通報したため、写真が世に出回ることはありませんでした。
信頼していた人に裏切られ、家族にとっては、シューマッハの事故に追い打ちをかけるような悲しい出来事だったのではないでしょうか…
犯人の名前は公表されてはいませんが、F1関係者だったということです。
シューマッハの息子、ミック・シューマッハとは?
スキー事故の時にまだ14歳だった息子のミック・シューマッハ。
父の血を受け継いでレーサーとして頭角を現し、2021年F1デビューを果たします。
しかし翌年の2022年にはシートを失いますが、「F1は常に僕の夢で、これからも夢であり続けるよ」と彼は言い、彼は今も父の背中を追い続けているようです。
シューマッハの現在は?
壮絶なスキー事故から間もなく11年が経ちます。
現在(2024年11月時点)もシューマッハは療養中です。スイスのレマン湖の畔にある自宅は医療施設が併設されているので、治療とリハビリに専念できる環境にあることは間違いありません。
スペインのマジョルカ島にも、コリーナ夫人の名義で邸宅を購入したという情報があり、スイスのレマン湖かスペインのマジョルカ島のどちらかで、シューマッハは療養しているのでしょう。
その情報がYouTubeにありましたので、ご興味のある方はご覧くださいね。
シューマッハまとめ
- シューマッハが受けたのは脳低温療法という、脳の温度を下げて脳の腫れを防ぐという、高度な技術が要る治療法。
- 脳がむき出しになるほどの大怪我を負ったのは、プライベートでのスキー中、整備されていないコースを滑走し、転倒して岩に頭部を強打したためだった。
- その後のシューマッハの情報は、家族が固く非公開にしているため、詳細は不明だがスイスのレマン湖かスペインのマジョルカ島のどちらかで療養をしていると思われる。
これまで、シューマッハの治療法や事故、その後についてご紹介してきました。
ぜひ、参考にしてください。