社会保険や労務管理のエキスパートである「社会保険労務士(社労士)」。
そんな社労士ですが、仕事がないから悲惨な資格なのではと噂されているんです…
士業なのに本当に仕事がないのか?噂の実態と真相を調査しました!
今後の需要と供給バランスも見ながら、社労士について確認していきましょう♪
Contents
社会保険労務士は仕事がないから悲惨?

仕事がなく悲惨な資格なのか調査したところ、いうほど悲惨な資格ではありませんでした。
企業の「人材」に関する、様々な問題や手続きを取り扱っている社労士。
社労士に限った話ではなく、取得した資格を活かせるかは人によります。
社労士の会員・求人数から「就職できない資格なのでは?」と噂されたり、その他にも年収や雇用率の低さが噂に拍車をかけているようです…
では、悲惨と噂されている具体的な理由をまとめてみたので確認していきましょう!
- 社会保険労務士試験の難易度が高い
- 行政書士など他の士業に比べて年収が低い
- 資格より実務経験優先のため未経験者は採用されづらい
どれも気になる内容ばかりですね…
噂が事実なら、社労士は悲惨なのでは?と感じてしまう人がいても納得です。
ただ、この情報だけだと社労士が本当に「悲惨」かどうかを判断するには証拠不十分です。
①社会保険労務士試験の難易度が高い
申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
令和2年度 | 49,250人 | 34,845人 | 2,237人 | 6.4% |
令和3年度 | 50,433人 | 37,306人 | 2,937人 | 7.9% |
令和4年度 | 52,251人 | 40,633人 | 2,134人 | 5.3% |
社労士の受験倍率は、低い年でも10倍以上・高い年では20倍以上とも言われています。
合格率が毎年1桁台であることから、とても難しい試験である事が伺えます…
合格の為に必要な勉強時間の目安は、800~1000時間。
毎日3時間勉強した場合、8~11か月で試験対策が完了する見込みです!
社労士対策コースのある予備校や通信教育から勉強することも可能ですが、受験するには相当な覚悟がいるのは間違いありません。
②行政書士など他の士業に比べて年収が低い

社労士の年収は平均500万円ほどで、行政書士の平均600万円より低いようです。
開業・企業勤めかでも年収にはばらつきがあるため、あくまでも平均です。
どの職業でも、働く環境や待遇によって左右されることがあるのと同じですね!
東京・大阪で勤務している社労士は年収が高額傾向であり、どの地域で働くかも収入が変わる要因となるようです。
社労士は企業のコンサルティングが行えるので納得です♪
③資格より実務経験優先のため未経験者は採用されづらい

実際の転職活動者の声を確認すると、社労士の資格有無よりも実務経験が求めらることが事実あったようです。
採用時に未経験者と実務経験者がいたら、企業は即戦力になる実務経験者を採用したいのが本音でしょう。
社労士に限らず、就職・転職時は経験者の方が有利となります。
「”社労士は”就職・転職できない」というのは一概に言えることではないようです!
今後の需要と供給

社労士の会員数は2022年8月31日時点で約4.4万人。
日本の大企業の数は1.2万社で、中小企業は419.8万社存在しています。
そして社労士の企業関与率は、6割ほどといわれているためまだまだ新規参入が見込める状態といえます。
ただ、AIの活用やDX推進の流れで今後社労士の業務がなくならないかが気になるため調査してみました♪
AIやDX化に伴い仕事がなくなるのか?
業務区分 | 内容 | AIや電子化の適正 |
1号業務 | 行政機関に提出する申請手続き代行 | 〇 |
2号業務 | 労働社会保険関連法に基づく帳簿の作成 | 〇 |
3号業務 | 労務・社会保険に関する相談や指導 | × |
最近では、chatGPTの登場などAIが台頭してきています。
社労士の業務にある、1号業務と2号業務はAIや電子化の得意領域であるため今後徐々になくなるでしょう。
様々な人事労務管理ツールの登場やWinActorなどのRPAツールも後押しし、そう遠くない未来に現実になると予想されます!
一方、人とコミュニケーションをとって臨機応変な対応が求められる3号業務は、AIが苦手とする領域のため今後もなくならないでしょう。
そのため、求められるのは丁寧なコンサルティングが行える社労士となります!
まとめ
- 社労士は悲惨な資格ではない
- 社労士は試験の難易度が高い
- 収入は平均500万だが、開業・企業務め・勤務地によって異なる
- 社労士に限らず、採用時は実務経験者が有利となる
- 社労士の企業関与率は6割ほどで、今後も需要がある
- 1号業務・2号業務はAIや電子化に伴い徐々になくなる
- 3号業務はAIや電子化の苦手な領域のためなくならない
社労士についてまとめましたが、いかがでしたか?
どの職種でも、コミュニケーション能力やコンサルティング力が大事なんだなと改めて感じました。
社労士を目指す方は特に3号業務のプロフェッショナルを目指して、頑張ってください♪