ダイエットや健康のために、たくさん水を飲むようにしている方も多いと思います。
しかし「硬水を飲み続けると体に悪い」という噂を聞いたことはありませんか?
スーパーやコンビニなどには、軟水のミネラルウォーターだけではなく、硬水も売られています。
そこで硬水を飲み続けると体に悪いという噂は本当なのか、また硬水のメリット・デメリットを調査しました!
Contents
硬水を飲み続けると体に悪い?
硬水を飲み続けると体に悪いと言われる原因は、ミネラルの過剰摂取により弊害が起きるからです。
硬水は軟水に比べてミネラルを豊富に含んでいるため、気が付かないうちに過剰に摂取してしまう恐れがあります。
ミネラルの過剰摂取による弊害は、次の2つです。
- お腹の調子が悪くなる(下痢など)
- 腎臓が悪いと体調を崩しやすい
お腹の調子が悪くなる
硬水にはカルシウムやマグネシウムが多く含まれています。
体内に取り込まれたカルシウムやマグネシウムは内臓で処理されます。
そのため、多量に摂取するとその分内臓に負荷がかかるからです。
マグネシウムは、下剤にも使われています。
下痢をきたすこともあるため、硬水の飲みすぎには注意が必要です。
腎臓が悪いと体調を崩しやすい
腎臓が悪い方の場合は特に、注意が必要です。
硬水をあまり多く飲んでいなくても、高カルシウム血症や高マグネシウム血症を引き起こすことがあります。
腎臓が悪いと、過剰に取り込まれたカルシウムやマグネシウをろ過することができません。
過剰分が体内に貯まってしまい、かえって毒となるわけです。
健康な人であれば、あまり問題にはなりません。
それぞれの代表的な症状をお知らせします。
- 高カルシウム血症:吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振、脱水、せん妄、死に至る不整脈
- 高マグネシウム血症:低血圧、呼吸抑制、心停止
腎臓が悪くなくても、普段飲んでいるお薬やサプリメントの摂取により、カルシウムやマグネシウムの過剰摂取となる恐れもあります。
気になる方は、医師、薬剤師、栄養士に相談してみましょう。
30~49歳の場合 (年齢や性別などにより異なる)
- カルシウム 男性:750㎎ 女性 :650㎎
- マグネシウム 男性:370㎎ 女性 :290㎎
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」より
硬水を飲み続けるメリット3選

硬水には3つのメリットがあります。
- 便秘解消
- ダイエット
- 不足しがちなミネラルの補給
便秘が解消!
硬水は、便秘の解消におすすめです!
硬水に便秘解消の効果があるのは、豊富に含まれているマグネシウムが影響しています。
マグネシウムには腸の動きを活性化させる働きや、便を柔らかくする作用があります。
これは、一部の下剤にも用いられている成分です。
便秘がちの方は、水分の摂取量が少ない可能性もあります。
1日の水分摂取量と同じ、1.5~2Lの硬水を飲んでみましょう。
効果が感じられない場合は、より高い硬度の硬水を選んでみてください。
ダイエットにも効果的!
硬水は、ダイエットにも効果的です。
硬水に含まれるミネラルは、腸内環境を整える働きもあります。
腸内環境が整うと栄養素の吸収がスムーズに行われるようになり、代謝促進につながるからです。
またカルシウムには、脂肪燃焼を促進させる作用があります。
カロリーゼロの硬水から、ダイエットに必要な栄養素を簡単にとれちゃいます!
硬水を飲むと、空腹を紛らわすこともできますね。
ダイエットサプリにカロリーが含まれていることを考えると、とっても優秀です♪
ミネラルの補給
硬水を飲むと、不足しがちなミネラルを簡単に補うことができます。
硬水には軟水の3倍以上のミネラルが含まれているからです(飲用する硬水によって差があります)。
また現代人は、ミネラルが不足していると言われています。
食事から1日に必要なミネラルを摂取できればいいのですが…
気が付かないうちに不足していることもあるでしょう。
また、「軟水から作られた野菜を軟水を使って調理していること」
「玄米よりミネラルが少ない白米を食べていること」などが原因です。
カルシウムやマグネシウムは骨粗鬆症を予防したり、動脈硬化を予防する効果があると言われています。
硬水を飲んで、お手軽にミネラルを補給しましょう!
硬水のデメリット
硬水には便秘解消などのメリットがある一方で、デメリットもあります。
- 内臓に負担がかかる
- 髪や肌の調子が悪くなる
- 素材の風味を活かしたい料理には不向き
内臓に負担がかかる
体に良さそうだと思って硬水を飲んでも、内臓に負担をかけてしまうことがあります。
硬水に含まれるマグネシウムは、体内で分解される際に胃に負担がかかるからです。
そのため、内臓の発達が未熟な赤ちゃん、子どもは、軟水を飲んだ方がいいでしょう。
またマグネシウムを多く摂取すると、お腹がゆるくなることもあります。
マグネシウムは、一部の下剤に使われている成分だからです。
腎臓が悪い方は、体内に取り込まれたミネラルを十分に分解・吸収することがきません。
分解・吸収されず体内にたまってしまうと、高カルシウム血症や高マグネシウ血症などの重大な状態になる恐れもあるので、特に注意が必要です。
髪や肌の調子が悪くなる
硬水で髪や肌を洗うと、髪がギシギシしたり、肌がつっぱったりすることがあります。
これは、硬水に豊富に含まれるミネラル成分と石鹼の相性が良くないため。
石鹼カスが残りやすいのです。
「海外でシャワーを浴びたら、髪がギシギシした」という話を聞いたことはありませんか?
海外の水は硬度が高く、石鹼カスが残りやすいことが原因だったのです。
素材の風味を活かしたい料理には不向き
硬水に豊富に含まれているマグネシウムには、独特の苦みや風味、香りがあります。
お肉の臭みを消したり、柔らかくしてくれますよ。
しかし、料理の味付けの邪魔になることも。
素材の風味を活かしたい料理や、コーヒーや紅茶などの香りを楽しむ飲み物には不向きです。
内臓に問題がない方でも、過剰に飲むと体をいためてしまうことがあります。
まずは少量から飲んでみて、問題がなければ量を増やしていきましょう。
硬水とは?
水は硬度の違いにより、「軟水」「中硬水」「硬水」の3つに分類されます。
硬度は、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量から計算します。
硬度=(カルシウム量(㎎/L)×2.5)+(マグネシウム量(㎎/L)×4)
日本の分類 | 硬度 |
軟水 | 0~100㎎/L |
中硬水 | 101~300㎎/L |
硬水 | 301㎎/L以上 |
日本の水道水は、ほとんどが軟水です(沖縄県の一部などを除く)。
そのため、硬水よりも軟水のほうが飲みやすいと感じる方が多くなっています。
逆に海外では日常的に硬水を飲んでいる地域が多く、特にヨーロッパの水は硬度が高いです。
日本人が海外の水を飲むとお腹を壊すとよく聞きますが…
衛生環境だけではなく、水の硬度も影響していると言われています。
硬水を飲み始めたい方は、少しずつ飲む量を増やしましょう。
硬水、中硬水、軟水の特徴
硬水と中硬水、軟水には、次のような特徴があります。
硬水 | 中硬水 | 軟水 | |
ミネラル | 豊富 | 適度に含む | 少ない |
口当たり |
| 飲みやすい | マイルドで飲みやすい |
向いている料理 (一例) |
| 洋風料理 |
|
ミネラルウォーターを購入する際は、飲みやすさを重視する方がほとんどだと思います。
硬水や中硬水には、お肉の臭みを消したり柔らかくする効果があるので、料理によって使い分けてもいいですね。
硬水を飲み続けると体に悪い?まとめ
- 硬水を飲み続けると体に悪いと言われる原因は、ミネラルの過剰摂取
- 硬水を飲むと内臓に負担がかかり、お腹の調子が悪くなることも
- 腎臓の機能が悪い方は特に、硬水を飲む場合は注意が必要
- 硬水には便秘解消、ダイエット、ミネラルの補給といったメリットがある
- 硬水を使うと髪や肌の調子が悪くなる、素材の風味を活かしたい料理には向かないというデメリットもある
硬水には便秘解消、ダイエットといった女性には特にうれしい作用があります。
しかし日本の水道水はほとんどが軟水です。
飲みなれない硬水で、お腹の調子が悪くなることもあります。
飲み始めの時期は特に、体調をみながらにしましょう!