耐熱ガラス食器のパイレックス。
日本では、赤いロゴマークでおなじみですね。
ひと昔はどこの家庭にも1つは「PYREX」ロゴのついたガラスボウルなどがあったのではないでしょうか。
これが製造中止という噂があります。
ファンも多いので、製造中止はショックですよね。
でもご安心ください!
調査の結果、パイレックス製品は今も製造・販売されています。
この記事では、こんな噂が出ている理由や、パイレックスの代替になる使い勝手の良い耐熱ガラス製品についても触れています。
Contents
パイレックスが製造中止?噂の理由2つ

パイレックスについて調べてみると、1915年のブランド誕生以来、複雑な事情になっていました。
ハウスウェア系部門の売却で製造会社が変更したり、日本でのライセンス契約が終了したり…。
情報を整理すると、考えられる噂の原因は主に2つ。
- 開発元での製造終了と日本製パイレックスのライセンス終了
- キッチンウェア部門の売却と板ガラスの製造終了
①開発元での製造終了と日本製パイレックスのライセンス終了
開発元のコーニング社での製造が終了しました。
実際は、他社に製造が移っただけなのですが…
おそらく製造終了したという情報が、拡がったんですね。
原材料としての板ガラスの製造が終わっていることも、影響がありそうです。
また、日本でも1966年から2011年頃まで、岩城硝子(現在はAGCテクノグラス株式会社)がライセンス契約をしており、日本製パイレックスを製造していました。
どこの家にも1つはあった赤い「PYREX」ロゴマークがついた計量カップやボウル。
ほとんどが岩城硝子製だったことでしょう。
岩城硝子の契約終了も、製造中止の噂の原因かと思われます。
2023年現在、同社の耐熱ガラス食器はiwakiブランドと名前は変わっているものの…
同等に高品質の製品を製造しています。
同じ計量カップでもロゴマークが「PYREX」のものと「iwaki」のものが両方存在していたんですって!
②キッチンウェア部門の売却と板ガラスの製造終了
1989年当時のCEO、J.E.ホートン氏がキッチンウェア等のローテク製品が同社にはそぐわないと判断したのか、次第にハイテク系にシフト。
1998年頃にはキッチンウェア系部門を他社に売却します。
その売却先が現在の製造・販売元となっているというわけです。
(何度か社名を変え、今は「コレールブランズ社」となっています)
コーニング社でも「パイレックス」商標は使用されています
しかし、その名を冠した板ガラス素材などの製造は終了。
実験器具(ビーカーやフラスコなど)のみの製造となっています。
情報の断片をつなぐのが難しく「これは製造中止ってこと?」という噂が出るのも道理かもしれません。
コレールブランズジャパンに直接訊いてみた
噂についてや製造状況などを同社に直接問合せてみたところ、たいへん丁寧なお返事をいただきました。
製造中止の噂についての回答
「パイレックス製品につきまして、製造が中止になったという噂をお
「マーケットの状況を鑑みながら製品開発を進めているため、今後、製品の入れ替えのため廃盤となる製品があるかもしれませんが、パイレックス自体が製造を中止し、製品が入手できなくなるということは現在のところございません。」
パイレックスが買えなくなる、ということは当面なさそうです。
現在、同社で取扱の製品は主
また、同社の公式HP内で案内されている製品は中国製。
「フランス製のパイレックスは、取扱店舗が専門店となり限ら
ネットでは並行輸入品も売られていますが、コレールブランズジャパンで扱っていないものもあるそう。
パイレックスの製造会社!コレールブランズ
2023年現在、パイレックス・キッチン用品の製造・販売は「コレールブランズ」が行っています。
同社はキッチン用品全般を扱う世界的なリーディングカンパニーです。
パイレックスブランド製品は日本でも販売されており、「コレールブランズジャパン」から販売されています。
公式サイトも存在し、製品カタログも閲覧可能です。
また、アマゾンなどでは並行輸入業者が上げている製品を買うことができます。
中には、日本未発売のものもあるので、レアなモノがほしい場合は探してみるとよいかもしれませんね。
よかった!
パイレックスの代替品!おすすめメーカー3選
今後も、パイレックス製品は買えることはわかりましたが、他社の耐熱ガラス製品でおすすめはあるでしょうか?
iwakiブランド
引用:iwaki 公式サイト
まずは、性能・アイテム数などの多いiwakiブランド。
もともとパイレックス製品を作っていただけあり、シンプルで質実剛健な製品がそろっています。
フタや部品のみの販売も充実!
ドイツ製のテンパックスやデュラン
代替品には、ドイツの特殊ガラスメーカー・ショット社が製造する「テンパックス」「デュラン」があります。
パイレックスと同じ、ホウケイ酸ガラス製品で性能的にも同等となっています。
テンパックスは板ガラスとしてサイズオーダーも可能、普通にガラス屋さんや工務店などで注文できます。
デュランは主にガラス管素材のほか実験器具(ボトル、フラスコ、試験管、メスフラスコなど)があり、完成度の高い製品として評価されています。
パイレックスとは
「パイレックス」とは、高い耐熱性で知られるホウケイ酸ガラスの一種で、その代名詞的存在です。
商標名として「PYREX(パイレックス)」が使用されています。
パイレックスガラスを原材料とした、家庭向け耐熱ガラス食器、調理器具、実験用ガラス製品などがあります。
現在も家庭向き製品や実験器具等が製造されています。
1915年にコーニング社が開発
この耐熱ガラスは、1915年に米国のコーニング社(当時はコーニング・グラス・ワークス社)によって開発されました。
現在、コーニング社は主に理化学用や材料系のガラス、例えばゴリラガラスなどを製造しており、最先端のハイテク企業として成長しています。
通信業界向け光ファイバー/光通信接続機器類/コンピュータ機器向け高性能ガラス/テレビスクリーン/情報端末ディスプレイ/半導体業界および化学分野などで使用される高純度合成石英ガラス/自動車業界向け特殊ガラスセラミック素材、理化学用実験器材
まとめ
- 製造中止の噂が出たものの、実際には製造中止していない。
- 2023年現在の製造・販売元は、コレールブランズジャパン。
- 代替品としては、かつて日本製パイレックスを製造していたiwakiブランドがおすすめ。
パイレックスは歴史が長いだけあって、アンティーク界には廃盤品の「オールドパイレックス」なるものもあり、こちらも人気。
もう新品のパイレックス製品も買えない、どれもアンティークショップでしか買えなくなるのね…と思いきや、今後も継続して製造されていくことがわかりました。
どこか懐かしいパイレックス、これからも大事に使って行こうと思う筆者です。