京都市左京区にはんなりと佇む平安神宮。
「神様いないのでは?」ともいわれています。
平安神宮に神様は祀られていないのでしょうか…。
その他にも「鳥居の間になぜ車道があるのか?」「拝観料はいくらなのか?」などの疑問を解決し、平安神宮の秘密を徹底解明しました!
Contents
平安神宮に神様はいない?

引用:平安神宮
平安神宮にも神様はいます!
平安神宮に祀られているのは第50代桓武天皇と第121代孝明天皇の2柱です。
なぜ平安神宮に神様がいないといわれるのか…。
2柱の天皇がどのような人なのかを解明します!
平安神宮に神様がいないといわれる理由
平安神宮に祀られている「桓武天皇」が現人神制度を拒絶したためと考えられます。
現人神制度は第40代天武天皇がおこなった政治改革の1つです。
現人神制度を簡潔にいうと…
「現人神(天皇)は神として生まれ、神として生き、死してなお神である。」
ということ。
平安神宮に祀られている桓武天皇は、現人神制度を作った天武天皇とは血縁関係です。
しかし、桓武天皇は壬申の乱で天武天皇と天智天皇が戦い、敗北した天智天皇の末裔。
壬申の乱で敗北した天智天皇の末裔は、皇族でありながら食事に困るほど貧困を極めたといわれています。
そのため、桓武天皇は天武天皇を憎んでいました。
その報復の1つとして、天武天皇を神とする月読命を古事記や日本書紀から徹底的に削除。
月読命を祀る神社も排除しました。
現人神制度も拒絶し、桓武天皇は「自分は人間であり、人間の最上位だ!」と日本初の封禅祭祀をおこなったのです。
人間として生まれ、人間として生き、人間として死んでいった桓武天皇を祀る平安神宮…。
桓武天皇の意志を尊重すると、平安神宮には神様は祀られていないと考えるべきかもしれません。
平安神宮に祀られている2人の神様
平安神宮には2柱が神様として祀られています。
- 第50代桓武天皇
- 第121代孝明天皇
この2人がどのような人物であったか、歴史を紐解いていきましょう。

- 天平9年(西暦737年)に光仁天皇の皇子として生誕
- 天応元年(西暦781年)第50代天皇として即位
- 延暦12年(西暦793年)山背国葛野・愛宕群に都を造営
- 延暦13年(西暦794年)山背国葛野・愛宕群の新京へ移り、平安京と称する
- 在位25年の間、難民の救済や内政の整備、国内外に交易し国の発展に努めた
- 延暦25年(西暦806年)に崩御
- 御陵は拍原陵(京都市伏見区桃山)

- 天保2年(西暦1831年)に仁考天皇の第4皇子として誕生
- 弘化4年(西暦1847年)に第121代天皇として即位
- 幕末の内外騒然とした時期の天皇であり、明治維新の基を開いた
- 「さまざまに 泣きみ笑ひみ語りあふも 国を思ひつ 民をおもふ為」と憂国済民の熱い志を抱いていた
- 慶応2年(西暦1866年)に36歳で崩御
- 明治天皇の父親にあたる
- 御陵は後月輪東山陵(京都市東山区泉涌寺)
新しい時代となった明治時代をつくった人物のひとりです。
鳥居の間になぜ車道が通っている?

平安神宮の大鳥居は第4回内国勧業博覧会の一環として創建。
現在、道路になっているところは以前運河だったのです。
博覧会までに運河は埋め立てられ、道路が創建されました。
神社の鳥居はくぐると神域といわれています。
参拝者の中には鳥居を車でくぐることに抵抗を感じている人も…。
大鳥居は他の大きな神社の神域につづく参道にもよくあります。
一般の結界をしめす鳥居とは、別の近代の建築物と考えれば抵抗感が薄れるかもしれません。
平安神宮の3つの秘密
平安神宮にはいくつかの秘密があるのです。
ここでは参拝時に、知っておくとより楽しめる3つの秘密を紹介します!
秘密①平安神宮は四聖獣を具現化した社

平安神宮の御朱印や御朱印帳には四聖獣が描かれたものがあります。
実は平安神宮は四聖獣を具現化して建築された社にになっているんです!
- 東(青龍):鴨川、青い屋根
- 南(朱雀):正午の太陽、赤い柱梁
- 西(白虎):中国山脈、白い壁面
- 北(玄武):貴船山、大極殿の奥にある黒い台座
青龍は東を護り、春を司る川に住む青い龍。
朱雀は南を護り、夏を司る炎をまとう赤い鳥。
白虎は西を護り、秋を司る白い虎。
玄武は北を護り、冬を司る黒い亀と蛇。
この四聖獣のいる土地に囲まれることを四神相応といいます。
京都はこの四神相応にあたる土地であり、社は四聖獣が守ってくれるよう建築されているのです!
四聖獣のおかげで、平安京は1000年に渡り繁栄することができました。
秘密②門の上の扁額は弘法大師が書いた
平安時代、門の上に掲げられた扁額。
この扁額の文字を書いたのは弘法大師(空海)なんです!
弘法大師が扁額を掲げてみてみると「鷹」の文字の一番上の点が抜け落ちていました…。
気づいた弘法大師は下から筆を投げて「鷹」の文字に点を加えたといわれています。
これが「弘法も筆の誤り」という言葉の由来です。
秘密③時代祭の衣装や祭具は本物

時代祭で使用している衣装や祭具は厳密に時代考証を元に作製された本物です。
時代祭は毎年10月22日に行われる秋の京都の代表的な大祭。
京都が日本の首都として千年余りにわたって培ってきた伝統工芸技術の粋を、内外に披露することを主眼としています。
平安神宮の拝観料・アクセス方法は?

参拝を考えている人が知っておきたい基本情報をまとめます。
平安神宮の拝観料は?拝観時間や定休日など
- 拝観料:境内は無料(神苑拝観は大人600円、子ども300円)
- 参拝拝観の時間:6時から17時(季節や行事によって異なる)
- 神苑拝観の時間:8時30分から16時30分(季節や行事によって異なる)
- 定休日:年中無休
- 電話番号:075‐761‐0221
- 住所:京都府京都市左京区岡崎西天王町97
参拝拝観の時間などは年末年始や季節によって時間がかわります。
時間ギリギリで参拝を考えている人は公式HPから確認するのがおすすめです!
URL:[公式]平安神宮
平安神宮のアクセス方法
車で来宮の場合は京都東ICより約20分です。
- 名神高速道路「京都東IC」
- 三条通を西へ
- 「神宮道」交差点を北へ右折
- 右折後すぐ
電車やバスで来宮の場合、最寄りのバス停と駅は以下の通りです。
- 市バス5系統、洛バス100号または110号系統へ乗車
- 「岡崎公園美術館・平安神宮前」下車
- 北へ徒歩5分
- 京都駅より約30分
- 市バス5系統、46系統、32系統に乗車
- 「岡崎公園美術館・平安神宮前」「岡崎公園ロームシアター京都・みやこめっせ前」で下車
- 北へ徒歩5分
- 河原町駅より約20分
- 市バス201系統、203系統、206系統に乗車
- 「東山二条・岡崎公園口」で下車
- 東へ徒歩5分
または
- 洛バス100号系統乗車
- 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」で下車
- 北へ徒歩5分
- 清水道より約25分
- 地下鉄東西線「東山駅」で下車
- 1番出口より徒歩10分
- 京阪鴨東線「三条駅」「神宮丸太町駅」で下車
- 徒歩15分
まとめ
- 平安神宮に祀られているのは桓武天皇と孝明天皇
- 平安神宮の大鳥居は第4回内国勧業博覧会の一環として創建された近代建築物
- 平安神宮は四聖獣を具現化した社でできている
- 平安神宮の拝観料は神苑以外は無料
ぜひ、京都にお越しの際は平安神宮にも足を運んでみてください!