アイヌ文化の復興・創造等の拠点となるナショナルセンターの「ウポポイ」。
2020年7月にオープンした、アイヌの歴史やアイヌの文化に触れられる施設です。
しかし、ひどいという意見や評判が悪い口コミもちらほら…。
アイヌの歴史にとって重要な“ある事件”については語られていないという情報もあります。
そこで今回は、ウポポイがひどいと言われる理由について調べてみました。
ウポポイがひどいと言われる2つの理由
(引用元:ウポポイ(民族共生象徴空間)公式サイト)
ウポポイは、北海道白老郡白老町にあるアイヌ文化の復興・創造等の拠点となるナショナルセンター。
民族共生象徴空間として、国立の施設として運営されています。
中には、国立アイヌ民族博物館を始めとする複数の施設があります。
札幌から約1時間、新千歳空港から約40分で、アクセスも良好。
では、そんなウポポイが「ひどい」と言われる理由は何でしょうか?
調べてみたところ、理由は大きく2つありました。
- 展示内容が薄い
- あの事件について触れていない
では、詳しく見ていきましょう。
①展示内容が薄い
(引用元:ウポポイ(民族共生象徴空間)公式サイト)
ウポポイが「ひどい」と言われる一番の理由は、展示内容が薄いこと。
アイヌ文化に触れられることに対しては、一定の評価がされています。
しかし、アイヌ文化を深く理解できるほどには内容が充実していないようですね。
観光客はもちろんですが、小学校・中学校・高等学校など、教育の場としても利用されている施設。
深く理解することを目的とする場合や、アイヌについてある程度の知識を持っている場合には、「内容が薄い」と感じられているようです。
ウポポイ、博物館としての中身はめちゃくちゃ薄いのであまり好きではないけど一般向けにアイヌという存在を認識させるには効果的な作りなんだよなアレ
— きんてつ たいらんど (@kintetsu5820) March 5, 2022
そういやウポポイ行ってきたけど思ったより薄い(他の小さい施設と置いてるものあんま変わんねえな?)というのと館内が異常に暑かった。あと元々ポロト湖にあったけど移転したイオル事務所、明らかにコンビニ跡だったけど移転する必要あったんか?というか政治力学的なやつでは・・・
— ピリカ・ラザンギという甘い食べ物 (@mynetworks666) February 13, 2023
また、ウポポイは政府によって建設された博物館で、国立の施設です。
もちろん建設費は税金で、200億円も投じられたのだとか…。
建設だけではなく、今後の運営費や維持費も税金が使われます。
それ故に、中身が薄いことに対する声も厳しくなっているのかもしれませんね。
https://twitter.com/tokyotinysweet/status/1283740124388286464
ウポポイひどいな…
国立博物館の展示物にiPhoneケースとか、全く関係ないコーヒー豆とか…
「国立」博物館でこれは恥ずかしい。
こんなんに来年度60億近い税金が使われてるのかと思うと…— ポーリー (@porikun17) October 21, 2020
ウポポイは、2020年7月オープンでまだ年月の浅い施設です。
こういった利用者の意見を取り入れて、ぜひ改善を検討してほしいですね!
アイヌ文化について深く知れる施設に変化していくといいですね!
②あの事件について触れていない
ウポポイでは、様々なアイヌの文化について学べると言われています。
しかし、アイヌの歴史の中で重要とも言える「人類館事件」については詳しい言及はされていないのだそう。
人類館事件の舞台は、1903年に大阪で開催された第5回内国勧業博覧会(大阪万博)。
この時のパビリオンの一つが「人類館」です。
この「人類館」で、アイヌ、沖縄、朝鮮、清国、台湾などの人々計32名が展示され、見世物にされました。
これが、人類館事件です。
更に、展示の説明をする人は、展示された人々を動物のように扱ったという話もあります。
この人類館の展示には、多くの抗議や非難が寄せられました。
沖縄県からの抗議内容は、「私たち(沖縄県民)をアイヌなんかと一緒にするな」といった、アイヌを差別するもの。
アイヌの人々は、見世物にされた上に、差別的な発言もされたのです。
アイヌ差別は避けて通れない問題であり、人類館事件はそれを象徴する事件でした。
それなのに、人類館事件をはじめ、アイヌの差別に関するものは積極的には展示されていないようです。
ここでアイヌ文化は学べません。明治時代以降、近代日本が進めたアイヌ同化政策とその裏にあったアイヌ差別について抜け落ちています。
長年に渡り日本人が先住民のアイヌ人に対して酷い差別や迫害などを行った歴史を隠し、良いところだけ見せようとする汚い大人たちが作り出したのがこの博物館です。
引用:トリップアドバイザー
差別というネガティブな情報は展示したくないのかもしれませんが、100年以上続く問題を取り上げないのは違和感を感じてしまいますね。
人類館事件の他にも「北海道旧土人保護法」や「旧土人学校」についての内容も軽くしか触れておらず、拍子抜けする人もいるでしょう。
ウポポイの良い&悪い評判を紹介
ウポポイに関しての評価は悪いのかどうか調べてみると、半分以上が良いと評価していました。
良い口コミと悪い口コミそれぞれ見ていきましょう。
良い口コミ
(引用元:ウポポイ(民族共生象徴空間)公式サイト)
まずは良い口コミから。
積極的にイベントや体験に参加すれば朝から晩まで一日中楽しめます。とても素晴らしい施設です。景色もとても良いです。
引用:トリップアドバイザー
体験イベントが目的の人におすすめのようですね!
景色の良さも気になります。
遠いですし体験型博物館で一日とってゆっくり楽しまれるといいでしょう。踊りのパーフォマンスのチケットはその時間まで待たずに、最初に取りに行かれる方がいいです。チセで行われる読み聞かせなど体験されることをお勧めします。アイヌの歴史をじっくりと知りたい方は、北海道博物館のほうが充実していて詳しく順序立てて説明してくれているので多くを学ぶことができます。
引用;トリップアドバイザー
体験イベントだけでなく、歴史を学べる場もあるのは知りたい人にとっては有り難いですね!
テーマパークのような楽しさと、ゆったり過ごせる空間が高評価のようでした。
悪い口コミ
(引用元:ウポポイ(民族共生象徴空間)公式サイト)
次に悪い口コミ。
アイヌの資料が淡々と展示されているだけ。正直大して面白くない。
国立なので建物は立派ですが機械的に資料がおいてあるだけの典型的な博物館スタイルなので、アイヌの知識が無い人は全く面白くないと思います。
ホールで行われる歌やダンスもアイヌ語なので、初見ならほぼ意味不明。そもそもアイヌの文化自体がエンタメとして面白いかと言われたらNOなので、仕方ないのもあるかと思いますが。
引用:トリップアドバイザー
ウポポイを楽しめなかった人もいるようです。
アイヌに関して前情報を入れていないと難しい部分もあるかもしれません。
ここでアイヌ文化は学べません。明治時代以降、近代日本が進めたアイヌ同化政策とその裏にあったアイヌ差別について抜け落ちています。
長年に渡り日本人が先住民のアイヌ人に対して酷い差別や迫害などを行った歴史を隠し、良いところだけ見せようとする汚い大人たちが作り出したのがこの博物館です。
引用:トリップアドバイザー
アイヌ差別についてほとんど触れていないと違和感に感じる人も。
他にも中身が薄い、観光資源として建てられているなど、内容に不満を持つ人が多かったです。
これからの改良に期待ですね!
まとめ
- 大量の税金で建てられたものの、展示内容が薄い
- 事件や差別などはほとんど触れていない
- 来場者のクチコミでは、半数以上が良いと感じている
ウポポイは、不満を持つ人も満足した人もいる賛否の分かれる博物館だと感じました。
ウポポイに行く際は一度自分でアイヌについて調べて行くと、感動や疑問を深く感じることが出来そうですね。