生活全般

あん摩マッサージ指圧師はやめとけ?意味ないと言われる理由を調査

あん摩マッサージ指圧師の資格を取るのはやめとけ意味ないよ…というネガティブな噂があるそうです。

マッサージや指圧は、薬を使わず自己治癒力のアップにつながりますし、とても素晴らしい職業だと思いますが…。
なぜ、「やめとけ」「意味ない」と言う人がいるんでしょう?

この記事は、あん摩マッサージ指圧師が「やめとけ」「意味ない」と言われる理由について調べてみました。

「あん摩マッサージ指圧師はやめとけ」と言われる理由

SNSなどで探しても、あん摩マッサージ指圧師に就くことへの否定的な意見は見られません

むしろ、前向きな意見が目立ちます。

あん摩マッサージ指圧師は大きなやりがいがあるのは確かです。
しかし同時に、体力も能力も必要。
大変な仕事だということは、容易に想像がつきます。

穿って言えば、「安易な考えならやめておいたほうがいいよ」ということなのかもしれません。

そもそもどんな仕事なの?

あん摩マッサージ指圧師の仕事は文字通り、あん摩・マッサージ・指圧の3つの技術を組み合わせて施術する専門家です。

施術するには医師免許か、あん摩マッサージ指圧師という国家資格が必要。

基本的に器具等を使わず、手業だけでの施術になります。
症状を具体的にヒアリングし、観察、施術していきます。

体力は必須です。
どこにコリや痛みがあるのかを察知する観察力や、指先の繊細な感覚も求められます。

  • あん摩…中国から伝わった手技。
    押す、もむ、叩く、なでるなどして刺激を与え身体を整える
  • マッサージ…西洋起源の技術。
    血液やリンパの流れを改善させる、脊椎のゆがみを矯正する
  • 指圧…あん摩療法の「押す」技術が独自に発展したもの。
    全身のツボを指圧し血行促進

この3つの手業により症状が緩和・改善。
体力の回復や健康増進につながります。

活躍できる場は広い

主な就業先は、治療院やマッサージ店などの施術所です。
開業権があり、個人で治療院を開く人も多くいます。
他にも、下記のように多岐にわたって活躍の場があります。

  • 病院内でのリハビリ治療
  • 企業内でヘルスキーパーとして従業員の健康管理に従事
  • スポーツ施設でのトレーナー業務や運動後の疲労除去のための施術
  • 宿泊施設や依頼者の住居に直接赴く、出張施術
よつば
よつば
働ける場所はとても多いんですね!

あん摩マッサージ指圧師の資格を得るには最低3年

あん摩マッサージ指圧師になるには、養成課程がある大学または専門学校で3年間以上、知識と技術を学びます。
その後、国家試験に合格する必要があります

試験の合格率は80%以上と高めです。

養成課程がある学校は全国で20校余り。
柔道整復師になるための学校が80校以上あることから比べるととても少ないです。
(リクルート/大学・短期大学・専門学校の進学情報サイト・スタディサプリ による)

この資格、もともとは聾唖者の経済的自立のためにできたもの。
そういった性格上、学校の数が少ないのです。
資格を得るよりも、学校に入る方が狭き門ともいわれています。

また、学校卒業までにおよそ500万円前後の学費がかかります(※1)。

経済的にも、誰でもなれるとは言い難いですね。
社会人になってから目指としても、勇気がいりそうです。

しかし誰でもなれないからこそ、技術や知識は信頼性が高いとも言えるでしょう。

※1:学校によっては、国から一定の補助が受けられる「専門実践教育訓練給付金」の制度   が利用できます。
すべての学校で制度が利用できるわけではないので要注意。

あん摩マッサージ指圧師の年収はおよそ440万円

厚生労働省・職業情報提供サイトによれば、あん摩マッサージ指圧師の令和4年・平均年収は443.3万円。

ちなみに同年の全国平均賃金がおよそ312万円です(厚生労働省・賃金構造基本統計調査より)。
数字的には平均よりやや高めといったところです。

平均労働時間は162時間/月でした。
労働時間がどれだけ不規則なのかは、勤務環境で違います。

恐らく、1日8時間×20日勤務/月、くらいだと予想されます。

要介護者の増加で、今後の需要は高まって行くと予想されます。
待遇の向上も期待したいですね。

よつば
よつば
悪くはないけど良くもないような…微妙な数字

あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師の違いは?

あん摩マッサージ指圧師とよく似た国家資格に、柔道整復師があります。
共通点は、どちらも手技により身体の自然治癒力を上げること。
治療目的に違いがあります。

両者を比較

●あん摩マッサージ指圧師
別名:あん摩師、 あん摩マッサージ師、 指圧師、 マッサージ師

治療目的:主に生活習慣が原因の体調不良(肩こり、腰痛、リンパや血液循環の悪化など)を改善する

●柔道整復師
別名:整骨医、 接骨医

治療目的:脱臼、ねんざ、骨折などの怪我治療を一般的な医薬品や器具でなく手技を中心にテーピングなどで回復を図る。
ほかに、リハビリ治療なども行う。

なお、柔道整復師も専門的に学ぶ期間が3年以上、その後に国家試験の受験資格が得られます。

よつば
よつば
いわゆる「ほねつぎ」は柔道整復師のことなんですね!

あん摩マッサージ指圧師の技術以外に求められる能力

手技で行う仕事なので体力はもちろん必要ですが、それ以外にも細やかな能力が求められます。

人と直接ふれあうので、コミュニケーション能力は必要不可欠

お客さんの中には自分の不具合をうまく言葉で伝えられない人も。
それを汲み取ってあげる必要があります。

心を癒やし、リラックスさせるためのソフトな人当たり。
どこがどう痛むのか?どう感じているのか?を察する力。

第六感に近い能力も必要なんですね。
人と接するのが好きな人なら、とても向いている職業ではないでしょうか。

あん摩マッサージは無資格店との違いがわかりづらい?

昨今の癒やしブームで、あちこちに「〇〇リラクゼーションサロン」「ソフト整体」「〇〇ボディケア」など、さまざまな名称の整体店があります。

問題は、これらの無資格店と有資格者の営む治療院との違いが、一般人にわかりづらいことだと思います。

無資格者でも、看板に「マッサージ」と書いて、医療的な効果を宣伝しなければ開業できます。
しかし、ぱっと見で有資格者の店なのかどうか、わかりにくいのが現実。

女性や若い人は、おしゃれな雰囲気や入店のしやすさなどを重視して店を選ぶ人もいます。

人当たりが良くてコミュニケーションのうまい店員さんがいたら、行きたくなるのもわかります。
ちょっとリフレッシュしたい、くらいの目的ならそれでよいでしょう。

でも、そこで受けられるのは「マッサージの類似行為」であり、治療ではありません

エステと同じで「癒やし効果」を目的とした、リラクゼーションサービスになります。
あくまで治療ではないという認識は持っておくべきでしょう。

資格のあるなしは、どうやって見分ける?

無資格者の店では看板などで「マッサージ」「整骨・接骨」の文言を掲げてはいけません。

また、保険診療が認められているのは国家資格のみです。

無資格または民間資格の場合、店名は「リラクゼーション」「もみほぐし」「ソフト整体」などが使われることが多いです。

このような名称の店は改善目的でなく、リラクゼーションサービスのお店と考えれば良いでしょう。

※時々見かける「カイロプラクティック」について。
日本では民間資格扱いですが、欧米では法制化されたれっきとした専門技術です。

WHO(世界保健機関)でも補完代替医療として認められている国際的ヘルスケアになります。

あん摩マッサージ指圧師のやりがいや将来性

SNSなどを見ていると実際にあん摩マッサージ指圧師の仕事をされている方々は、やりがいを感じている人が多い印象を受けます。

よつば
よつば
たいへんだけど、人に喜ばれるお仕事ですものね

今後の需要はどうなるか?

高齢者増加の一途をたどる日本。
施設や病院、在宅医療などであん摩マッサージ指圧師の需要は高まっていくのではないでしょうか。

医療費は高騰していきますし、病気の予防は必要になるでしょう。
生活習慣による体調不良を正し、自然治癒力をアップすれば、致命的な病気にもかかりにくくなります。

あん摩マッサージ指圧師は解剖学をはじめ、人体についての体系的深い知識を有する専門家です。

リハビリなどでもより的確な指導ができ、なおかつ治療、怪我予防の指導などもできる人材です。

今後の日本で、さらに必要な人材になると思います。

まとめ

まとめ
  • 求められる能力は高く、体力も必要で仕事としてかなりハードルが高い
  • 国家資格にもかかわらず無資格者の店との差別化が難しい
  • 無資格店との違いがわかりにくいことに加え、受ける側の無知にも問題あり
  • 取得した知識・技術は深く、信頼性が高い
  • 医師の同意があれば保険診療が適用でき、受ける側のメリットも高い
  • 高齢化や謎の病気が増える今後の日本でこそ、必要不可欠な人材
  • 症状を改善したいなら、国家資格のある人から施術を受けよう

繁盛する無資格の「〇〇サロン」がある一方、本寸法の治療院がお客を取られ廃業やむなし。
そんなケースもしばしばあると聞きます。

時間と労力をかけて取った国家資格が競争力にならない…。

そんな現実の厳しさも、「やめとけ」「意味ない」といわれる原因かもしれません。

国家資格を有する治療院や施術者は、これからの日本に絶対必要なもの。
貴重な人材が失われないようにしたいものです。
そのために、施術を受ける私たちも選ぶ目を磨く必要があるでしょう。